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サムライレポート

中米コスタリカにて起業し、環境問題に微生物で解決を挑む西川氏。

2011/07/05  

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(※写真はエコツーリズムが盛んなコスタリカの自然の中でみつけた珍しい蛙。)

「中米コスタリカにて、微生物を使った仕事をしている人がいる。」

そう初めて聞いた時に、
「び、微生物!?どういうこと?まさかの細菌兵器ではないですよね!?」
というように一瞬、知識が乏しい僕は勘違いをした。

しかし、よくよく伺うと危ないものではなく、むしろ地球に、環境に良いものであった。
微生物といっても様々な種類や効用があるでしょうに無知とは恐いものですね・・・。

そんな微生物を利用して、
中米コスタリカの環境改善に取り組む西川さんにお話を伺ってきました!

自己紹介とこれまでの歩みについて教えて頂けますか?



滋賀県立短期大学(現在の滋賀県立大学)農学部農業経済学科卒業後、
農林水産省近畿農政局に入省。

1986年に同省退職し、JICA(現在の国際協力機構)で青年海外協力隊員として、
中米のホンジュラス共和国に、職種は野菜園芸で派遣される。

1992年より日本企業の駐在員としてコスタリカに駐在。
2000年よりEM(有用微生物群)技術指導員としてコスタリカを中心にラテンアメリカでEM技術の普及に従事。
2005年からコスタリカでエムプロテック社(EMプロダクト&テクノロジー社)を立ち上げ独立し現在に至る。

現在の仕事内容とEMについて教えてください。


EMは琉球大学の比嘉照夫名誉教授が農業用に開発されました技術で、
Effective(有用)Microorganisms(微生物群)の略語です。

“共存共栄する有用な微生物の集まり”という意味で、EMに含まれる微生物は特殊な微生物ではなく、
食品や動物の飼料にも使われている乳酸菌、酵母、
そして自然界に生息分布している光合成細菌などを中心に、
自然界を浄化する働きや物質の生合成を行う働きを持つ有用な微生物を、
人間の手によって培養させた複合微生物集団を培養液としたものです。

勿論、環境、人間、動植物に安全で、
遺伝子の組み換えなどの人工的に手を加えた微生物は一切使っておらず、
EMは100%自然の技術であるために全世界で利用されています。

当初は自然農業や有機農業、畜産の悪臭対策用として利用されていましたが、
30年以上の経験と研究の結果、
現在では生ゴミ対策、下水処理、産業廃水処理といった環境用にも使用範囲が広がっています。

コスタリカでは1996年から、アース大学(Escuela de la Regison Tropico Humedo=国際熱帯湿潤地区農業大学の略)と技術供与合意契約を結び、
学生らに持続型農業教育や持続型環境教育に取り入れられています。

同時に私の会社でもEMを使って持続型農業、
持続型環境保全、持続型エコーツーリズムのコンサルテイング業務を行っています。

コスタリカでは環境への関心が高く、
EMの利用の7割は産業廃棄物や排水処理、下水処理、ホテルのメンテナンスで占められています。

最近ではコスタリカにある生物多様性研究所内のメンテナンス(下水処理、清掃、コンポスト)への協力も行っています。

また国内で初めての試みである家庭で実施する生ゴミ選別プロジェクトを立ち上げ、
選別された生ゴミを1箇所に集めてコンポスト化し、
コンポストは農家に配布したり、植林プロジェクトに還元するなど持続型のプロジェクトも進行中です。

元々、海外で働きたいという志向はお持ちでしたか?


高校在学中にブラジルへの農業移民に関心を持っていました。
また、冒険家である植村直巳氏の自伝を読み、海外を見てみたいという希望はありました。

コスタリカの魅力について教えてください。


日本では見られない大らかさ(ええ加減さ)でしょうか。

そして仕事をしていて気が付いたことは多くのコスタリカ人が環境への関心が高く、
日本でも見られないような多くの生物分解性製品(ゴミ袋、買い物袋、使い捨てコップや皿、洗剤、清掃製品)が氾濫していること。

日本もこの点は見習わなければなりませんね。

海外に出て変化した価値観はありますか?


基本的には変わっていないと思う。

自分の存在は人によって支えられているという事実は日本であっても海外であっても同じであるから。
但し、変化に強くなるという柔軟性は必要と思う。

今後の予定や将来の夢(目標)について教えてください。


出来るだけ長く中南米の持続型農業や環境保全に携わることが出来ればいい。

そして最後は嫁さんと何処かの国で自給だけの百姓したいです。

最後に、日本の若者にメッセージをお願い致します!


世界のグローバル化が云々と言われている今日この頃ですが、
まずは自己のグローバル化の為に海外で仕事(特に自分で起業)してみると、
芯から外国人との付き合い方が分かる。

ボランテイア、青年海外協力隊、学生では分かりません。
そして愛国心!!
これが重要です。

以上、西川さんの御回答になります。

コスタリカはエコツーリズム等、豊かな自然が観光資源として活かされている国です。
世界中の観客は勿論、研究者なども集うほどの自然を持つ国です。

そんなコスタリカも、西川さんのお話では、環境汚染が進んでいるということでした。
特に生活用水(下水処理)が整っていなく、汚水が川から海に流れて汚染が進んでいると。
そんな状況を打破する為に西川さんは奮闘されているようです。
EMについて僕は全くの無知でしたが、物凄い可能性と実例を兼ね揃えているのだと驚きました。

※詳しくはコチラの事例集にあります。
http://emlabo.co.jp/em/case/index.php

つい先日、ルワンダでも日本人の方がEMを利用した事業を始めたとの話も聞きました。
西川さんにそれについて伺ったら
「EMは世界中で活躍しているんですよ。だからきっとこの先でも何処かで出逢うはずです。」と言われました。

中米地域でEMを事業活用している人はまだまだ少ないようで、
西川さんが隣国のニカラグア等も出張で仕事をされているようです。
ニカラグアの有名なマナグア湖の水質改善にも取り組んでいるとのことです。

EMは既に世界で評価を受けていると思うのですが、
日本発のモノとして、いずれ世界を救う発明として大きく評価される日が来るのではないでしょうか?

西川さんとEMが中米にもたらす未来が明るく輝いていることを願っています。

西川さん、ご協力ありがとうございました!

太田 英基

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