Daydream-s

サムライレポート

ロンドン発、世界を股にかけるインタラクティブデザイナー、左右田 智美氏

2012/06/08  

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(※写真は左右田さんがニューヨークにて出展された新作。”Daydream/Tomomi Sayuda”)

イギリスの首都ロンドン。
誰もが名を知り、一度は訪れることを憧れる世界有数の大都市にて、
クリエイティブの世界で活躍されている日本人女性にお逢いしました。

ロンドンを始めとして、ヨーロッパ、アメリカや日本でも精力的に活動を行なっている左右田さんは、
東北の復興支援として、Tohoku Londonプロジェクトを発起した人でもあります。

今回はそんな左右田さんを御協力頂きました。

自己紹介と、これまでの歩みについて教えてください。


ロンドンでインタラクティブ、プロダクトデザイナーをしている左右田智美です。

武蔵野美術大学 工芸工業デザイン科を中退した後に、
ロンドン芸術大学・ロンドンカレッジオブコミュニケーション・グラフィック・メディアデザイン科を2009年に卒業して、ロンドンにてデザイナーをしています。

日本に居た頃は、大学在学中からベンチャー企業でインターンをしたり、
某テレビ局にてセットデザインのアシスタント、派遣のオフィス業務、家電の応援販売、
飲食業、テレアポ等とにかく色々な仕事を経験しました。
ロンドンの大学在学中はフリーランスのウェブデザイナーもしていました。

現在の仕事内容・活動内容を可能な範囲でご紹介ください。

フリーランスのデザイナーとして、ロンドンにあるインタラクティブデザイン事務所で働く傍ら、
自身の作品をUK国内や日本、ドイツ、アメリカ等を中心にアート、デザイン系の展示会で発表しています。

フリーランスの会社での勤務内容は、
イギリス国内外の博物館や企業の見本市等に搬入する実際に触れるようなインタラクティブ端末、
各種イベントや雑誌等と連動した企画のリサーチ、デザイン、制作等が主です。
インタラクティブ、プロダクト、空間、ウェブ、グラフィックデザイン、映像と幅広く手がけます。
(※音と光を奏でるインタラクティブアート作品”Oshibe/Tomomi Sayuda”)

個人の作品に関してはユーモアや日本の伝統を題材とした、
実際に手で触れられるようなインタラクティブ作品、プロダクトデザインを制作しています。

海外で働くという志向を元々お持ちでしたか?

小六の時に父親を亡くした事もあって、昔から物事には終わりがあると感じていました。
それがあって、日本の国に危機感を中学生、高校生くらいから抱いていたので、
とにかく自立したい、外国に行きたいという願望が人一倍強かった
です。

もし行くのであれば、ちまちま行くよりもどーんと行きたかったのでお金を貯めていたのですが、
早くも運良く結婚を機に、初めての外国行きで海外移住の夢が実現してしまいました。
今から6年前、22歳の時です。

言語以外で立ち塞がった困難は何でしたか?

物事の捉え方の違い、立ち振る舞いや小さな事一つ一つ。
イギリスで生きていく事や目的、根本的な哲学の違いについて、
日本で育ってきた自分自身と一度真っ正面から向き合い、一から消化し対応しなければいけなかったこと。
まだまだいつでも困難はつきまといます。

海外(イギリス)で働くこと、生活することの魅力について教えて下さい。

イギリスで働く事の総合的な魅力に関しては、ありとあらゆる国から人がやってくる事。

クリエイティブ業界に関して言えば、実験的な事がやりやすい事、
そしてそれを受け入れる肥えた目を持った観客が居ること。

もちろん労働時間が短いこと、ホリデーが取りやすいことも良い点として挙げられるかもしれませんが、
それはそれで良い点も悪い点もあると思っています。

生活する事の魅力に関しては、世界のハブになっているので、とにかく色々な国に旅行がしやすいこと。
色々な国に行きましたが、ここまで空の便が充実している国はないです。

日本はイギリスから何を学べると思いますか?また、イギリスは日本から何を学べるとおもいますか?

外交。
外国とのうまくつきあっていく方法を学ぶのは重要だと思います。
イギリスはさすが大航海時代に勝ち誇った国だけあって、外国とのつき合い方が上手いと感じます。
どこの国の人もふたを開けてみると、ちゃっかりしてますから。

こちらがへりくだって学ぶだけでなく、もっと世界に喧嘩を売っていくくらいがいいのではないのでしょうか。
日本には外国にないものがたくさんあるので誇りにもって欲しいです。

今後の予定や将来の夢(目標)について教えてください。

今年の10月からRoyal College of Art(英国王立芸術大学院)のDesign Productコースに入学します。
という事で、一旦また2年間学生に戻ります。

そして、7月10日から15日までRegent Parkで行われる
経済産業省も後援となっている東北支援の展示会、
re:new Tohoku ~ a tradition of perfection brought to life for you
に私が運営しているTohoku Londonのプロダクトを出展することになりました。

目標は自分の仕事をより大きくしていく事、
もっと沢山の才能のある人々と時間を共有することです。

最後に、日本の若者にメッセージをお願いします。

私も一応二十代なので人の事を言える立場ではないのですが…。
海外を目指している方に向けてのメッセージとするならこのような感じでしょうか。

世界の競争力は今とてつもなく早いです。
今先進国と言われている国に居る人々が、
今までのように物質的な幸せを簡単に得られる時代ではないようなので、
現状のような生活のレベルを維持したい、それよりも前にいきたいのであれば、
人一倍に頑張るしかないです。

こればかりは言葉だけで説明しても伝わらないと分かったので、
他の人とは違う人生を送りたいのであれば、
個人旅行、留学、ワーホリでも何でもいいので外へ出なければダメです。
外に出て、ぴりぴりとした緊張感を感じて、それを日々の行動に移すべきだと思います。

私自身はその危機感を持って世界で生き残れるよう、毎日試行錯誤をしています。


(※Google社ロンドンオフィス移転パーティ時に制作。
   折り紙で覆ったデジタルフォスブースの為の照明作品。Tomomi Sayuda at kin

以上、左右田さんからの回答となります。

あとがき

クリエイティビティーの発信地ロンドン。
そんなロンドンで左右田さんのように活躍されている方はまだまだ少ないのだと思います。

左右田さんはデザイナーとしての一面と、アーティストとしての一面、
そしてプロデューサーとしての一面もある方なのだと思います。
そのすべてにおいて精力的に活動し、経験と実績を積み上げてきている方なのだなと思いました。

それにしても左右田さんは特別な事情があったにせよ、
中学生時代から日本の未来に危機感を抱いていたというのは驚きです…
僕なんかは正直、当時は何も考えていませんでした。

ただただ、毎日学校にいって授業をこなし、
部活をする毎日だったのと比べると、だいぶ大きな違いだなと…。

危機感というのは与えられるモノではなく、自ら感じ取るモノなのですね。
そして、そこからアクションを起こすのか否か、それも自分次第なんだなと。
そんなことを左右田さんに教わりました。

左右田さんの今後がとても気になるところです。
きっと創ることにあくなき挑戦を続ける彼女は、新たなモノやコトを生み出していくのでしょう。

左右田さん、御協力ありがとうございました!

太田英基

参照:左右田智美オフィシャルWEB http://www.tomomisayuda.com/

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