「もし我々が空想家のようだと言われるならば、救い難い理想主義者と言われるならば、
出来もしないことを考えていると言われるならば、何千回でも答えよう、“その通りだ!”と」(チェ・ゲバラ)
メキシコからキューバへ飛んだ。
10日前にグアテマラにいる時に取得をしたクバーナエアーの往復チケット。
今回は10日間滞在する予定で人生初の社会主義国家へ乗り込んだ。
世界2位の墜落実績を誇るというクバーナエアー、ちょっと恐かったけれど死ぬときは死ぬ。
それもまた運命だという持論の元に見事に生き残る。
現在のキューバの親分的存在であり、
1959年のキューバ革命時のリーダー、フィデル・カストロもそのように考えているそうだ。(死ぬときは死ぬ論)
今回のキューバの旅での目的は2つ。
1つは社会主義国家の暮らしぶりというのがどういうものなのかを肌で感じること。
もう1つは世界的に有名な誇り高き男、チェ・ゲバラに逢うこと。
ミーハーだけれど、後者はなんとしても!という気持ちがあった。
チェ・ゲバラはフィデル・カストロと共にキューバ革命を成功に導いた男である。
彼は先天性の喘息持ちでありながらも長期間の過酷なゲリラ戦を戦い抜き、
圧政バチスタ軍に打ち勝ち、多くの人々に自由をもたらしたのだ。
彼の生涯についての本をキューバ訪問前に予習した僕は恥ずかしながらのにわかファンであることは間違いない。
けれども、にわかであろうと自信をもってファンはファンだ。(クワッ
彼は革命後、キューバの改革に数年間取り組んだ後、
自らが持つ地位や権威を手放して、昔から抱いていた理想世界の実現の為に、
再びゲリラへの道を歩んだ。
(そしてボリビアの山中にて戦死する。39歳という若さだった。)
その生き様たるや、本当に見事なものだった。
僕個人としてはフィデル・カストロも相当だ。
リーダーとしての資質はチェ・ゲバラ以上だろう。
最後の独りになったとしても絶対に折れず、諦めない精神。
自らが戦争の先陣を突っ切る姿勢と覚悟。
理想の未来(ビジョン)を描く力。
彼もまた相当なものだと思うのだけれど、
現在のキューバの状況があまり宜しくないようで、彼は今は国民からの人気はさほど無いように思われた。
変な話だけど、チェ・ゲバラは輝いたまま逝ったのだろう。
なによりチェ・ゲバラはフィデル・カストロよりも人間味がある気がした。
僕は本の中の彼しか知らないので偏っているだろうけれども、
若い頃の彼は己の行動への葛藤も激しかったり、不倫もしたりと、抜けてるところがあり人間らしさがある。
そこがまた人気のある部分では無いのだろうか。
ハバナの街中でよくチェ・ゲバラのマークを見掛ける。
最初は観光客向けなのかなと思っていたけれど、路地裏の民家や地方の田舎町に
も彼のマークが街中に存在しているのを見て、キューバにおける彼の存在感の大
きさを強く感じた。
さて、キューバに到着をして、最初に驚いたのは噂では聞いていたものの、
本当に博物館のように、そこら中を当たり前に旧車が走っている。
途中までは面白くて写真を撮っていたのだけれど、キリが無いのでいつしか辞め
ていた。
ハバナ旧市街は世界遺産にも入っている通り、街並みが本当に美しい。
観光客に迫り来る多くの偽葉巻営業マンや、たかり屋が居なければ尚良いのになぁ。
ここキューバでは日本社会では見られないことや、考えられないことが多くある。それらから1つ1つ学ばせて頂く・・・そんな11日間になるでしょう。