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サムライレポート

広告会社ADKの米国支社CFOを務めながら、日本人コミュニティーの発展を支える榮枝 洋文氏

2011/04/20  

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ニューヨークに訪問する前に紹介を頂いて、お逢いさせて頂いた榮枝さん。
第一印象は雰囲気のあるビジネスマンという印象でした。

広告マンというよりは、金融会社のような硬めの雰囲気を第一印象で感じつつも、
実際に話しだすと、とても気さくで安心感があり、”兄貴”のような存在感を持っている方でした。

そんな榮枝さんは広告会社のADKに勤めながらも、
ニューヨーク拠点に様々な活動に取り組んでいらっしゃいます。

榮枝氏のこれまでの歩み。


広告会社ADKアメリカ法人CFO、日本広告業協会報誌コラムニスト、
ニューヨーク日本人起業家相互協力の会「一旗会」幹事、
NPO法人JaNet理事長、ニューヨーク倫理友の会理事等を兼務。
コロンビア大学MBA卒業。神戸生まれ。

広告・マーケティングのグローバル戦略畑で、東京、中国・香港、アメリカ・ニューヨークの現地駐在、
法人のマネジメント15年の経験を経て、今日に至る。

自称「ミスター・タイムズスクエア」を標榜し、
世界中が注目する年末カウントダウンのビルの広告を頂上から3枚獲得、管理し、
毎年10億人が視聴する年末カウントダウンのクライマックスを創る生活を繰り返す。

「常識を常識視しない」爽快切り口のレクチャーが有名。
「ファイナンス」をコアにした脳開セミナーを開催。

人生夢実現のトレーナーとして、秘密裏に行われるクラス受講生は通算1000名を超える。
ベンチャー投資相談から、日本人の留学生へのキャリア開発のコンサルタントまで請け負う。

スローガンは Show the World, Shock the World. 銀河と銀河を繋げる。


現在の仕事内容を教えてください。

米国法人の経営(管理職)。
とはいえ、日常広告業務も兼務しており、
大きな仕事としてはニューヨーク・タイムズスクエアの年末カウントダウンの運営があります。

テレビ広告や、携帯電話広告など、広告業としての仕事は山のようにあります。

ただ、単に会社人を勤めるのではなく、地域コミュニティーの一員としてNPOへの協力や、
各コミュニティー団体の支援も行って、地球人の一員として、活動をしています。


日本とアメリカの広告において、どのような違いが見られますか?


日本人が面白い、と思っている広告が、
他の多民族にとっては、ほとんど意味不明なところ。

逆にアメリカの多民族用の広告は、おおむね広い世界で理解可能なところ。

例えば、「美白の肌色が、よりきれいに見える液晶技術」なんて言っても、
黒人や白人など多種多様の中で、日本人の目線で、美白が良いと言っても通じない。

逆にアメリカの広告は、「より多数」に理解がもらえるような、気遣いのある広告を好む。


アメリカで最近話題になった広告事例を教えてください。

世界中が見るタイムズスクエアの年末100万人カウントダウン。

このカウントダウンビルの頂上を日本企業がジャックしているのはご存知だろうか?
Youtubeなどで、NY Countdownを検索してもらうと、出てきます。


今後、注目している広告手法はありますか?

手法・技法よりも、考え方・発想の面から、新しいものを見ている。

たとえば、そのために、私は「テレビ」を家から捨ててみた。
こうすることで、テレビの影響を排除したスクリーニングの目線で、
それでも私に伝わってくる世の中の現象を、見ることができる。

常にこういった取り組みをしながら、新しいものを見ることができるように努めている。


元々、海外で働きたいという志向はお持ちでしたか?

もともと最大にして最優先の志向が「アメリカで働きたい」だった。

「海外で働きたいか」という質問は、便宜上、「国内、海外」二者択一区分にしてあると思うが、
現代の地球に生きるみんなにはどうもピンと来ない区分だと思う。

例えば、日本、が好きかどうか、と問う質問は、
トウキョウが好きか、という区分を聞く質問と同じく、
どこからどこが東京なのか、
住んでいれば、「トウキョウ」と切る意味が曖昧なことに気づくだろう。
なので「国」という区分での外内比較にはあまり興味が無い。

私は生まれた場所やトウキョウ近郊での「理由無き伝統、慣習への服従」が、
どうも自分への命令調でしっくりきてなかった。自分らしくなかった。

その「服従」の上で、既得権を謳歌している世代がいるのが動かしたくても動かせなかった。

たまたま、その対極(自由)のイメージがアメリカやニューヨークにありそうだったので、
ここに来てみたかった。

来てみたら、やっぱり(笑)自由だった。

相手を変えるのではなく、自分を変えればいいのだ、と知った。

海外で働きたい、というより、
束縛ルールの上で、従いたくない、自由にしたかった、という感じかな。


海外に出て変化した価値観はありますか?

すべての事象、モノには、特に意味が無いことを知った。

昔から「あたりまえ」と意味づけを教えられていたようなこと、
例えば「ご飯は一粒も残さない」などという事が大事でもないし、
逆に大事じゃないわけでもない、どちらでもないという事に気づいた。

そもそも「ご飯つぶ」自体、ある土地の文化であるし、
大事にしよう、と決めた土地・時代に生きていただけなのだと気づいた。

土台・前提がかわれば、いろんな見方があり得るし、
それは自分で自由に好きな選択をすれば良いだけだと知った。

「あたりまえ」とか「空気を読む」という事を、
周りから無理やり押し付けられない環境に居たからこそ、気づきやすかったと思う。


今後の予定や将来の夢(目標)について教えてください。

「たくさん」が好きなので、追いかけたい。

たとえば、1個2個よりも、億単位、兆単位がドキドキするので、意識したい。

これは質を落として数を取る、という意味ではなく、
質の面においても、深さやクオリティーが桁外れ、
という意味において抜きん出ている事が、自分の好きなことだと思える。


最後に、日本の若者にメッセージをお願い致します!

日本だけよりも、アジアだけよりも、
やっぱり先進で大きな国のマーケットを見る事、知る事は、
「脳開」するような刺激があって、ものすごく楽しいよ。

この原稿を読んでいる限り、読者のあなたは、
なんらか海外に興味があるとするならば、まずは飛び出してみた方がいい。

飛び出さない限り、さもなくば、これまでどーりの、
保守・言い訳の「小さな自分」が一生続くだけだ。

器を格段に広げるため、自分の未知の可能性を知るためには
日本の中や、その延長のアジアよりも、欧米での体感をまずはお勧めする。


以上、榮枝さんの回答となります。

また、榮枝さんは上記にもありますが、
何かに捕らわれることや、縛られることが無いようにと僕にも注意をしてくれました。

会話中に僕が「30歳までには●●したいです。」と話した時に、
「君は30歳と掲げたが、何故30歳じゃなくてはならないのだ?
どうして30歳を掲げているんだ?29歳や28歳では無い理由はあるのか?」

そのように、すぐさま返されました。
人生の時間は限られているので、
1年1年、1ヶ月1ヶ月の目標設定と行動設定をして、
一生懸命に生きていくことを榮枝さんは僕に訴えてくれたのではないかと思います。

僕自身、割と自問自答しているほうだと思っていたのですが、榮枝さんに比べれば全然足りないでしょう。
まだまだ漠然とした感覚で決めているもの、
”当たり前”という流れの中で生きていることが多いのだと自分自身気づけました。
(勿論、僕らはロボットでは無いのでバランスは必要です。)

榮枝さんが理事長として率いているJaNetはニューヨーク在住の日本人コミュニティーです。
僕はこれまで多くの国をみてきましたが、日本人コミュニティーがここまで活発な地域は珍しいのではないかと思います。

きっとJaNetの活動は多くの日本人がニューヨークで過ごすことに対して、
強力なバックアップになっていることは間違いないことと思います。

もし、ニューヨークで働くことや、留学すること、暮らすことを検討されている人は
JaNetの交流会などに参加してみましょう。

1日にして、多くのニューヨーク在住の日本人と知り合い、情報交換できる絶好の機会となります。
http://japanesenetwork.org/

以上、榮枝さん、御協力有難うございました!

太田 英基

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