(※写真はドイツ、パッサウの街並み)
ドイツという国、
非常に聞き慣れた国のひとつですし、日本とも色々とゆかりもある国です。
ドイツ人の性格は生真面目なところや、職人気質なところが日本人と近い部分があると言われており、
日本人とも気が合うと言われることが多い、そんな国ドイツ。
日本の大震災被災後に、
何処の国よりも早く、原子力発電からの脱却を誓った国でもあります。
ドイツとオーストリアの国境付近の街パッサウにて、
ドイツが世界に誇る大企業シーメンスで働く日本人の方がいらっしゃるということで訪問して参りました!
それではドイツのシーメンスにて現地採用で働く宮崎さんをご紹介します。
宮崎浩輔です。29歳です。
26歳で大学を中退したあと、シーメンスグループの某社に就職し、東京で一年半働いたあと、
2010年12月からドイツで働いています。
世界190カ国に40万人の従業員を持ち、
年間売上700億ユーロを越えるドイツの総合電機メーカーです。
事業内容は電機電子機器をはじめ、
情報通信、電力、交通、医療、家電製品など多岐にわたり、
多くの製品で世界トップのシェアをもっています。
シーメンスには大きく分けてインダストリー、エネルギー、ヘルスケア、インフラの4つの部門がありますが、
その中のインダストリー部門で、
主に石油・ガス・化学プラントで使われる産業用モーターの仕様決定及び見積りをしています。
元々学生時代からドイツに興味があり、
数年単位で長く住んでみたいと思っていたこと、
ドイツ企業なので本国のほうがより詳しい技術的なデータにアクセスでき、
工場がこちらにあるため製品にも近いこと、などから、以前からドイツ行きを希望していました。
東京時代に上司からドイツで働かないかと誘われ、
そちらの会社を辞めて今の会社に入り直しました。
大学時代から留学等には興味があり、
実際に三ヶ月間オペアでドイツに滞在していました。
就活時はドイツに行く機会のある会社を基準にえらんでいました。
日本に比べ、こちらのほうがリラックスして働けていると感じます。
休暇をとり、残業もしていないのに業績が悪いわけではないということは、
仕事の効率という点で学べることがあると思います。
国民性もあるので学べと言っても難しいかと思いますが、
日本のほうが仕事に対して真摯で丁寧な仕事をすると思います。
特に思いつきません。
ドイツで働くことの魅力はなんといっても労働環境です。
年間30日の有給を取りたい時に取れて、夕方五時には帰る生活は日本では実現は難しいです。
残業した分は他の日に早く帰ってもかまいませんし、
病欠の場合は有給を使わなくても休むことができます。
今はまだドイツに来て一年ちょっとなので、
ここにいなければ身につかない技術的な知識をできるだけ身につけようと思っています。
その後、日本または第三国のシーメンスで
自分の知識を生かした仕事をしたいと思います。
とにかく自分のやりたいことをやることをお勧めします。
自分を信じて自分の楽しめることをやっていれば、
不思議と将来その経験が活きてくるものです。
ドイツや僕の仕事について聞きたいことがある人は、気軽に連絡してください。
(※現時点では、宮崎さんの許可を頂いて本人のメールアドレスを掲載中)
以上、宮崎さんからのご回答となります。
宮崎さんはとても充実した日々を過ごされているようでした。
もちろん仕事のやりがい等もあると思いますが、
その秘密はやはりドイツの労働環境にあるのでしょう。
ドイツはGDP世界第4位という経済大国でありながら、有給の取り方が半端ではありません。
僕が旅行中に出逢ったドイツ人の旅行者は会社の有給を使って、
1ヶ月~2ヶ月間、毎年のように旅行をしているそうです。
一番長い人では3ヶ月間の長期休暇を取っている人もいました。
彼は2ヶ月の間は中米のスペイン語学校で語学を学び、
その後1ヶ月間は中米を周遊旅行しているという、日本人からすると考えられない話を僕にしてくれました。
正直、ヨーロッパ全体の労働環境を知った時、
特にドイツの労働環境について知った時はカルチャーショックでした。
地味目ですが、僕のこの旅で一番のカルチャーショックはコレなのかもしれません。
日本は明らかに彼らに比べると働き過ぎではないか・・・?
別の例ですが、
スペインのネット系ベンチャー企業で働くイタリア人女性も
「今年は長期休暇全く取れないの!忙しくて…。年間に2週間の休暇を2回だけなのよ・・・ありえないわ!」
と嘆いていて本気で驚きました。
僕が彼女に「日本で2週間の休暇なんて滅多に取れないよ。ベンチャーなら尚更難しいよ。」と伝えると、
有り得ないというリアクションをしながら、「それ本当!?私は日本で働けないわ!」と素直に言ってくれました。
繰り返しになりますが、ドイツの驚くべきところは多くの人がそれだけの休暇を取っているにも関わらず、
世界第4位の経済大国のポジションを維持しているところです。
日本はドイツから学べることが多くあるのではないでしょうか?
宮崎さんのようにドイツ企業やヨーロッパ企業で働いている方々が経験を活かし、
今後の日本の労働環境を改善されていくことを期待しています!
(もちろん、日本社会に適応できるカタチを模索する必要があるかと思います。)
宮崎さん、レポートへのご協力有難うございました!
太田英基
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