ドイツのミュンヘン。
ドイツは幾つかの大都市に別れており、首都ベルリンは勿論のこと、
ミュンヘン、ハンブルグ、フランクフルトなどなど多くの都市がある。
日本だと東京一極集中になりがちですが、
ドイツはそれとは異なるような雰囲気が伝わって来る。
ミュンヘンは教育都市としても名高いようで、
優秀な若者が多くそこに滞在しているそうです。
そこミュンヘンにて、
Twitterを通じてお逢いすることになった神谷さんをご紹介致します。
ドイツ人パートナーや子供たちとの生活の中で、
常に異文化体験を繰り返す日々を過ごしています。
80年代に青山学院大学法学部を卒業後、
日本で数年間、広告制作会社、アメリカ系映画会社宣伝部などで勤務しました。
その後、より広い世界を見るべく、イギリス客船クイーン・エリザベス二世号船上にて、
日本人顧客担当クルーズ・スタッフとして、朝のエクササイズから、
ビンゴ大会やディナーショーの司会などのお仕事を。
その後、一身上の都合からドイツへまいりまして、
日系企業アシスタント業務、日本語補習校教員、ドイツ企業勤務を経て、
2010年3月よりフリーランサーとして、
日独通訳、異文化トレーナー、イベントマネジメントなどを主な業務内容としています。
日本とドイツをつなぐ架け橋がモットー。
現在の主な事業内容は、
見本市や各種商談・会議・シンポジウムでの通訳、
異文化コミュニケーションの分野でのトレーニング、
海外進出企業のビジネス開発サポート、マーケティングリサーチなどです。
2012年はもうひとつ別に大きなプロジェクトを予定していて、
ミュンヘン市主催のビジネスプラン・コンテストに参加する予定。乞うご期待です。
その他、“日本のいま“を紹介するライフスタイル見本市、「ジャパンメッセ」の企画・運営も。
フリーランサーとして、営業から経理まですべて一人でこなしています。
2012年は新規顧客の獲得に力を入れたいです。
若気の至りの一身上の都合です。(笑)
12月生まれで星座が射手座なのですが、
射手座というのは外国と縁のある星座なんだそうです。
そんなすりこみもあってか、
子供の頃から、なんとなく外国に住みたいなとは考えていましたが、
特に仕事をしたいとは思っていませんでした。
非雇用者が、雇用者である会社と、
一人ずつ労働契約書を取り交わすことが基本であるというのが、
スタートからして違う点でしょうか。
この労働契約書には、期待される労働の内容、給与、週の労働時間、
年間有給休暇の日数などの情報がすべて記されていて、
2部作成されるそれぞれに、雇用者と非雇用者がサインをして、一部ずつ保存します。
給与体系は、月額制が一般的で、日本のような夏冬のボーナスはありませんが、
11月にクリスマスマネーとして、月給一ヶ月分相当の臨時収入がある会社が多いようです。
ドイツでは、労働基準法が名目だけでなくきちんと順守されていて、
サービス残業など有り得ません。
残業した場合は、その分が賃金として支払われるか、代休をとらないといけません。
これがきちんと守られなかったり、年間の有給休暇も年度内にきっちりと消化されないと、
企業が政府から罰せられるというのはいいなと思います。
そのかわり、年度末に、未消化の有給を消化するために、仕事はたまっているのに
休みをとらないといけないこともあったりして、そのあたりの調整が大変です。
その有給休暇も、企業や職種によって多い、少ないはありますが、
平均的には年間30日あるので、旅行好きなドイツ人はよく、
2週間、3週間といった長期滞在型旅行をのんびりと楽しんでいますね。
その間、会社では担当不在で仕事が進まない、という事態もまま起こりますが、
みなお互い様として黙認しあっているようです。
ドイツでは、日本にはない個人主義が浸透していて、
基本的にはいいと思いますが、ともすればそれが自己中心的になってしまうこともあり、
このあたりのバランスをどうとるのかは、まだまだ改善の余地ありです。
バランスといえば、ワークライフバランスも、かなりきちんととれていて、
仕事も一生懸命やるけれど、家族とのプライベートな時間も大切にする、という姿勢がいいですね。
さらに、数年前から男性も最長3年までの育児休暇をとれるようになり、
若い世代では、男性の家事や育児への参加も抵抗なく行われているようです。
反対に、ドイツのネガティブな点としては、
デパートなどでも、従業員がお客の前を横切るのが当たり前、
薬局で買い物をしようとしても、従業員同士のプライベートな会話が終わるまで待たされる、
というサービス砂漠なので、世界一のクオリティーの日本のサービスをドイツに学んでほしいです。
「沈黙は金」、「察する」、「腹芸」などが全く通じない、
なんでも言葉にして伝えていかないといけない文化背景に、今でもとまどっています。
ものを言わない人はバカだと思われるのです。
女性として、周りからやいのやいの言われたり、社会的な圧迫を受けることなく、
自分のやりたいことができるのがいいですね。
ドイツ及び欧米では、70年代に本当の意味での社会変革が起こったと認識しています。
新プロジェクトでのビジネスプラン・コンテスト参加で、
ある程度の結果が出せるといいなと思っています。
将来はこのプロジェクトを基に、大きな企業にしたいものです。
つきなみですが、将来の夢を明確に描いて、
それに少しでも近づけるよう努力を続けましょう。
私はそれをしてこなかったので、いまだに苦労の連続です。
神谷さんの話にもありますが、やはりドイツの労働環境は凄い…。
そこから日本企業や日本社会が学べることは多いと思います。
僕もお世話になったドイツ人が、取引先に電話をしたら、
「担当の●●ですが、あと3週間ほどバカンスです。出社しません。」というのが当たり前に起こるらしい。
彼は「お互い様だからね!」と言っていました。
今は携帯電話やモバイルPCもある時代なので、緊急時にはコンタクトできるとして、
一昔前はいったいどうやって仕事がまわっていたのか…。
しかしながら、神谷さんも仰っている通りで、
日本とドイツはサービス精神、仕事に対する真面目な姿勢が非常に似ている!!!
…と良く僕自身も耳にしていたのですが、
実際には僕がドイツで過ごした1ヶ月間ではドイツは他国よりもマシなだけであって、
日本のそれとは異なると感じました。
もちろん、そこまでする必要はあるのか?という日本のサービスクオリティには賛否両論です。
ですが、あのサービスクオリティの高さは日本の持つ武器です。独自なモノです。
(もちろん、クオリティを維持してドイツ並に休めたら最高でしょうね…!)
なかなか今の世の中には理解されないからと言って、その武器を捨てることはなく、
他国が日本のようなサービスクオリティに理解・共感を持てる時が来るのを
サポートするというのは考え方としてはあるのかもしれませんね。
神谷さんのように日本のモノを海外に伝えていく仕事は、
これからもっと国としてチカラを入れていくべき部分なのではないかと思えます。
尚、神谷さんはまだ非公開なようですが、とある日本の娯楽文化をドイツに持ち込みたいと仰っていました。
僕自身もそれについては非常に強い可能性を感じています。
神谷さんの今後の動向に要注目です!
神谷さん、御協力有難うございました!
参考:Japan Concept WEB http://www.japanconcept.de/
太田英基
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