(※写真はチリとボリビアの国境のアタカマ高原で撮影した1枚。)
南米にある国、チリ。
あまりチリのことはよく知らないという人もいるかもしれません。
南米では注目の経済成長国として認識されているチリ。縦長の国土を持ちます。
(日本ではチリサーモンが有名・・・?)
そんなチリの首都サンティアゴでお逢いした日本人、四宮さん。
四宮さんは現在、チリにて仕事を創りながらサバイバル中の日本の女性です。
高校時代に南米のチリに1年間留学。
帰国後、チリの大学に進むことにし、受験。
チリのUNIVERSIDAD UNIACCに進学し、オーディオビジュアル・コミュニケーション学部で映画を学ぶ。
大学卒業後は、日本に帰国し、社会人生活をスタート。
映画関係の仕事に関わりたく、TSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)に入社。
けれども、映画に関わることはなく、
インターネット広告営業(1年)とM&A(約2年)に携わり、2010年12月に退社。
2011年2月より、再びチリに住み始め、
現在はフリーでフラワーアレンジや翻訳、映像関係の仕事をしつつ、
「日本の良いもの」をチリに伝えるJapan Quality Initiativeを立ち上げ、活動中。
私は学生時代にチリに来て以来、たくさんの人にお世話になりました。
私を育ててくれた日本と、私を成長させてくれたチリの人々に、
どうすることが自分の役目なのかと悩みましたが、
震災後、チリと日本の友人の中に日本の価値をチリに伝えるために行動したいという仲間と出会い、
彼らと「Japan Quality Initiative」を立ち上げました。
Japan Quality Initiativeは、「日本の価値をチリへ。」というスローガンのもと、
チリおよび南米市場へ進出を考えている日本企業や、
日本の技術や文化を伝えたいと考えている方々のために、現地スタッフとしてお手伝いをしています。
日本には、創意工夫された世界に誇る技術、
おもてなし文化に代表される心のこもったサービスなど、
長い歴史に裏打ちされた知恵、価値があります。
チリは豊かな天然資源を背景に近年順調な経済成長を遂げ、
南米の中では優等生と言われていますが、
他の南米諸国と比較すると日本企業の進出が遅れているのが現状であり、
潜在的ビジネスチャンスの宝庫だと確信しています。
日本という新しい選択肢を効果的にチリに届けるべく、
現地調査や顧客・提携・販売委託企業の発掘等のサポートを通して、
日本企業の南米拠点となることを目標に行動しています。
20代のうちに、独立したかったというのが一番の理由です。
日本では、サラリーマンとして、会社から定期的な収入を得ていましたが、
自分の力と責任でお金を稼ぐ働き方にチェンジしたかったんです。
また昔から、家庭を持つことがあれば、家でお仕事をしていたいというイメージがありました。
独立する為に、語学力やフラワーアレンジのスキルを活かしたかったのですが、
このスキルが一番発揮できそうだったのがチリだったんです。
それに物価が日本よりも安いので、資金面についても好都合でした。
海外で働きたいと強く思ったことはありません。
高校生の頃から6年間をチリで過ごし、長く日本を離れていたこともあり、
大学卒業時点では日本で絶対働きたいと思っていました。
その後のステップについても、場所は何処でもよいと考えていました。
私の場合は、日本か海外かという選択ではなくて、選択の基準が「働き方」でした。
独立して、色々なことを試しながら生活できる環境が、日本ではなかったんです。
一つは、時間の流れが全く違うことですね。
例えば、地下鉄のラッシュの時間ですが、
こちらは夕方18時になると、4~5回乗り過ごさないと乗れないくらい地下鉄が混んでいます。
この現象は、ある意味とても健全な社会の様子ですよね。
皆が定時で退勤するんですから。
18時に退勤して、24時に就寝するとしても、6時間も自由な時間があると、一日が豊かになりますよね。
もう一つは、明るさです。
暗い顔をしていたり、下を向いている人を殆ど見かけないです。
また、悩みがあってチリ人に相談をすると、
「なんとかなるさ!」と、あっけらかんとした顔で言うので、
すっかりそんな気になって、なんとかしてしまうよう動くパワーが生れるんです。
情報収集です。どの人も言う事が違うので(苦笑)。
ビザを取るときも、チリの移民局のHPを見て、私のケースにあった書類を準備して、
移民局の受付にOKを貰って提出したのにも関わらず、
「実は、もうこのタイプのビザは発行していないから、もう一回手続きしなおして」
と2カ月後に連絡が来て、びっくりしたことがあります。
また、法的な手続きなどを行うときに、電話や窓口で疑問点を質問すると、
どの人も言う事が違うので、とにかく困ります笑。
「持ってこい」と言われた書類を持っていくと、
「この書類はいらなくて、別の書類が必要なんだ」とか。
ですので、こういう場合は、何人かに確認して、総合して結論を出すようにしています。
「日本のことが客観的に眺められること」、
「他国の人と交流することで、知識の幅が広がり、違うものの考え方が生れること」です。
また、南米で働く魅力は、
「時間がゆっくり流れるので、考える時間が増えること」、
「資金面で、独立するには好都合」の2つです。
チリ社会に役立つ日本のQualityが届く「きっかけ」をJapan Quality Intiativeで沢山作って、
私を育ててくれた日本とチリの両方の国に恩返しを実現することです。
また、フラワーアレンジの仕事では、少しでも周りの人を笑顔にしていきたいなと思います。
チリには沢山の綺麗な花々があるのに、
花屋さんでは面白いほど同じアレンジしか売っていないんです。
ですので、少し違うアレンジのお花で、
「わー、綺麗」という笑顔が貰えるよう精進していきたいです。
世界は広いです。色んな人がいます。知らないことが沢山あります。
チリに来て一番始めにすごく驚いたことは、高校に教科書が存在しなかったことです。
私にとっては、授業=教科書でしたから。。
このときに、やっと自分の世界の狭さを感じました。
もうひとつ。
何がしたいのかわからないときは「貯金」だけはしといたほうがいいです。
何かしたいと思うことができても、資金がなければ何も出来ません。
何がしたいのかわからない、毎日がつまんないと思っても、
将来のチャンスのために、貯金をしておくことをお薦めします。
私も悶々と悩んでいた時期は、とにかく貯金をしていたのですが、
チリに生活の場所を移そうと決めたとき、すぐに行動ができました。
私も毎日勉強中です!
どんどん色んな事を吸収していきたいと思います!
以上、四宮さんからの回答になります。
独立することを前提とした働き方や生き方を考えた時に、
目の前に現れた最適な選択肢が日本ではなくチリだったというのは衝撃的なエピソードだと思います。
僕が起業した頃は何も知らない若僧だったというのもありますが、
日本で起業することしか考えていませんでした。
日本以外の国で、独立を目指すということは想像もつかなかったです。
(だから、旅に出ることを決めたのですが。)
四宮さんは高校時代にチリに留学されていましたが、
その時の経験が大きく活きているのではないでしょうか?
旅行するだけでは見えてこないモノが数多くあります。
留学をすると、より深く多面的にその国のことを知ることができるでしょう。
そして今、四宮さんは仕事を通して更にチリについて広く深めているのではないでしょうか。
日本の持つ文化やサービス、技術やアイディアはまだまだ海外で通用する部分が多くあります。
これから先、四宮さんのように自分のスキルを最大限に活かせる場所として、外国を選ぶ若者が増えてくるのではないでしょうか?
南米で独立して仕事を創る女性はそう多くはありません。
四宮さんの今後に期待とエールを!
四宮さん、レポートご協力有難うございました!
参考リンク:
→Japan Quality Initiative:http://jqi.jimdo.com/
→四宮さんブログ(日本語&スペイン語):http://shinochile.blog130.fc2.com/
太田英基
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