20100916-032723

サムライレポート

“TEDx プログラム”を手掛けるコミュニケーションプロセスデザイナー、井口 奈保氏

2011/01/29  

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僕がサンフランシスコ近辺に滞在している時に友人の紹介で井口さんにお逢いしました。

井口さんはフリーランスとして活動しており、
職種は”コミュニケーションプロセスデザイナー”と名乗る、良い意味でちょっと変わった方という印象でした。

近年話題のTEDが提供する”TEDx プログラム”を日本で広めながら、
さらにアジア圏でのネットワーク構築を行なっている方でもあります。

井口さんは海外を拠点に仕事をしているというわけではないのですが、
パソコン1台あれば、世界の何処ででも仕事はできると言い、実際にそれを実践されています。

そういう仕事方法を実践している人はそう中々いない為、今回レポートとして取り上げさせて頂きました。
(※勿論、リアルに逢って話さなくてはいけないことや、イベント等は海外にいては難しいかと思いますが、
それ以外の大部分のところはやり方を工夫すれば実現できるとのことでした。)

自己紹介とこれまでの歩みについて教えて頂けますでしょうか。


慶応大学にて人間科学を専攻。心理学を始めとした学際的なアプローチで人間と文化の関係性を学ぶ。
卒業後、単身渡米し、Alliant International Universityにて組織心理学修士を取得。

組織変革、多文化コミュニケーションの技術、ダイバーシティ・マネージメント、
チームビルディング、コーチングなどの実践力を培いながら、
日米組織行動比較、グローバルリーダーシップ論、
日本におけるリーダーシップとメンタリティ、スピリチュアリティの研究を行う。

同時にGrove Consultants Internationalにて、
グラフィック・ファシリテーションを用いた組織開発コンサルティングの手法を学ぶ。

帰国後、2009年2月よりフリーランスで「コミュニケーション・プロセス・デザイナー」として活動開始。
コミュニケーションに関わる多様な仕事に従事している。
日本にソーシャル・イノベーションを生み出す土壌を作っていくために、
TEDxTokyoにてディレクターを務める。

2010年には、TEDxTokyo yzという
日本や世界をよりよい方向へ育てていきたい力強い若者を繋いでいくコミュニティを発足。
さらに、単発型のイベントから持続可能な行動を生み出す仕掛けとして、
xyz Action というワークショップを2010年の秋に立ち上げる。


コミュニケーションプロセスデザイナーとは?

コミュニケーションにおいて「何を伝えるか」の重要性は説かれ、
みんな意識を向けて一生懸命になるけれど、
「どう伝えるか」の重要性や方法論は軽視されているなぁと感じる場面が多々あります。
だから世界はこんな風になっちゃっているんじゃ…と。

人は1歳ちょっとの頃から言葉を操り始め、
日々コミュニケーションをするので、デフォルトな故にその難しさが見えなくなり、
必要な術を育てる環境や仕組みができていないんじゃないかと。
コンテンツのプロフェッショナルはどの分野にもいる。

だから、それはその人たちに任せて、自分は「プロセス」のエキスパートになろう、
という思いで始めたのがコミュニケーション・プロセス・デザイナーです。


TEDxTokyo yzの活動内容と目的を教えてください。

TEDxTokyo yzでは、TEDxTokyoとの兄弟イベントで、
ジェネレーションYとZに焦点を当てたソーシャルインキュベーションシステムの構築を目指しています。
何それ?っていうと、色んなアイディアや想いを抱えた私たち世代の人間が
もっと自由に楽しく自分の生き方や働き方を形作ることができるための土壌を育てて、
「こんな経済/社会/文化システムもありでしょ」とプロトタイプを提示することがビジョンです。

その核となるのが、同じ方を向いている仲間を集めること。
そのためにTEDxTokyo yzというイベントを定期的に開催することでネットワークを編んでいく。
さらに、同世代でこんなおもしろいことやってる人がいるんだ!
という刺激、発見、応援の場としても機能します。


井口さんはよく海外に出られていますが、それは何故でしょうか?

一に直観。魂に導かれるから。
二に好きだから。
三に生来的な特質とマッチしているから。

自国とはまったく違った国、文化、言語の地域で活動するのが向いている人と向いていない人がいて、
自分は前者だからその役割を社会で担うのが自然だと思う。

特に日本にはその人材が多くないので、得意で好きな私がやるのがミッションだと思う。
その代わり、数学得意な人に数学は任せるし、会社経営が得意な人には会社経営を任せる。
教育が得意な人に教育を任せる。


今後の予定について教えてください。

引き続き、コミュニケーション・プロセス・デザイナーとして精進していきます。
TEDxTokyo yz を中心にすくすくと育っているコミュニティを、
既存のものとは違った新しい組織モデルとしてシステム全体のデザインをしていきます。
また、その中でコミュニティメンバーが求めるサービスをプロとして提供していく。
2〜3年以内に海外に移住して、
Inter-/trans-cultural communicationのエキスパートとなるべく経験値を上げる。
あとは、パートナーを見つけて母親になりたいと思っています。


最後に、日本の若者に一言メッセージをお願い致します!

自分という人間が何者か、自分の欲望は何で、羞恥心は何で、自信は何で、
何を愛し、何に絶望し、何に感動するか、貪欲に無防備に、軽やかに危うく探求していくべし。
既成概念、社会や世間が生み出す構造物に囚われず、殻を破って限界を押し広げて欲しい。

ビジネスマナー、交渉術、起業の仕方も30代になったって40代になったって学べる。
転職すれば何歳になったって一から始めることになるわけですから。

でも、人間としての拠り所を作るのは、
思春期の感受性と青年期としての成熟を会得し始める10代後半から20代に、
できるだけ深く、深く、深く掘り下げていけるかで大きな差が出るかと思います。


以上となります。井口さん、ご協力有難う御座いました!

井口さんのように世界中の何処ででも仕事をこなせる人のことをノマドワーカーとも呼びます。
とある説では、これから世界はどんどんノマドワーカーが増えていく流れにあるとのことです。
僕自身も井口さんの働き方を見習わせて頂きつつ、旅を続けていこうと思います。

また、井口さんは、コミュニケーションにおいて、
「何を伝えるか」ではなく「どう伝えるか」をもっと重要視するべきであると仰っていますが、まさに同感する部分です。
「どう伝えるか」を重視すると、話す対象が持つ予備知識や先入観等によって、
話し方を変えていかなくてはなりません。

例えば、日頃から一般人や他業界の人には知られていない業界用語を会話中に多用する人がいます。

これは同業界の人との間であれば、お互いの共通認識の中で用語の意味が合致するので問題ありませんが、
全く異なる業界で働いている人に対しては言葉選びを変えなくてはなりません。
その人からすると、確かに伝えているつもりでも、受け手が理解出来ていなければ意味がありません。
僕自身、まだまだその部分で未熟な部分がありますが、これから精進していければと思います。

井口さんが掲げるコミュニケーションプロセスデザイナーという役割は、
まさにこれからの社会で必要とされてくる役割なのではないかと思いますし、
僕らひとりひとりがもっと、意識していかなくてはならないことなのではないかと強く思います。

太田 英基


以下、井口さんをより詳しく知りたい人はコチラへ。

ブログ:http://communicationprocessdesign.com/
Twitter:@nafnaf
TEDxTokyo.com:http://tedxtokyo.com/
TEDxTokyoyz.com:http://tedxtokyoyz.com/

そして、コチラ井口さんが登場する直近のイベントです。参考までにご紹介!
—————————————————————————————————————————–

◆ CHANGE THE WORLD 表参道アカデミー ◆
『グラフィック・ファシリテーション& beyond ーVisualize Your Process』
グラフィカルに自分を導く〜2011年上半期の目標を立ててみよう!

—————————————————————————————————————————–
※好評受付中。お早めにお申し込みください。

■講師: 井口 奈保
コミュニケーション・プロセス・デザイナー/TEDxTokyo ディレクター/TED×Tokyo yz 創始者

私たちは仕事をしていても、友達や家族といても、1人で過ごしているときでさえも、
日々コミュニケーションをしています。
コミュニケーションにおいて、「何を伝えるか」「どんなものを作るか」ということには注力しますが、
「どうやって話し合うか」「どんな手順で意思決定するか」「どういう仕組みが必要か」という
プロセスへの意識はどうしても弱くなりがちです。

このワークショップでは、コミュニケーション・プロセス・デザイナーの大切な要素の一つ、
グラフィックファシリテーションについて学びながら、今の自分にとって何が重要かを振り返り、
自らの過去、現在、未来を同時に捉えながら一枚の地図を作成していきます(ビジュアルマッピング)。
2011年今年上半期の目標を立て、実行計画作りをしていきます。

そして今回【Type2】の講座ではさらに
※ 講座終了後、ビジュアルマッピングで作成した目標を達成するためのグループを創り、
講師が6月までサポートします。
※ 他の参加者と交流しながら計画を実行していきます。
※ 定期的に講師とオンラインで(メール/Skype)進捗報告やコーチング等のやり取りをします。

グラフィック・ファシリテーションをここまで包括的に学べるのは、表参道アカデミーだけ。
少しでも気になった方は、今すぐアクセス!
http://www.change-the-world.jp/courses/visualize-your-process/

■開講日:【Type1】3回の連続講座 1月31日(月) 2月7日(月) 2月14日(月)19:00~22:00 全3回
【Type2】3回の連続講座+プロセスサポート 上記に加えて 4月11日(月)5月16日(月)6月13日(月)全6回
■時間:19:00~22:00
■場所:チェンジザワールド 表参道アカデミー
http://www.change-the-world.jp/access/

■講師:井口奈保
<プロフィール>
慶応大学にて人間科学を専攻。心理学を始めとした学際的なアプローチで人間と文化の関係性を学ぶ。
卒業後、単身渡米し、Alliant International Universityにて組織心理学修士を取得。
組織変革、多文化コミュニケーションの技術、ダイバーシティ・マネージメント、チームビルディング、
コーチングなどの実践力を培いながら、日米組織行動比較、グローバルリーダーシップ論、
日本におけるリーダーシップとメンタリティ、スピリチュアリティの研究 を行う。
同時にGrove Consultants Internationalにて、グラフィック・ファシリテーションを用いた
組織開発コンサルティングの手法を学ぶ。

■申込:下記URLのお申し込みフォームより、お申し込みください。
http://bit.ly/gioGhc

CHANGE THE WORLDについて
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イノベーティブな資本経済、社会のモデルとなることを願い、
環境系ソーシャルな事業を手がける会社の経営者が集まり、
あえて営利組織としての「合同会社」=LLCという形態をとった。
教育と人材育成をテーマに、社会性と利益を両輪にとしてアカデミー事業を展開、
Pay Fowardingで持続可能な社会と事業のありかたを追求し続けている。
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